久喜市 Ｙ．Ｓ（２０歳 学生）
私は三日前、とてもモヤモヤしていました。どうモヤモヤしていたかというと、自分はこんなんでいいのか、中国語検定をうけるため勉強しなければ。四月から映像の専門学校に入りたいからお金も必要になる。そうするとお金もたくさん必要だから割の良いアルバイトを探さなければ。けれども、今は春休み、大学生活の春休みほど、自分の自由時間が持てるなんてことはなかなかないことだから、いろいろな所に行って、自分の知らないものを見たり、知ったり、味わったり、体験しなければもったいない。私はもうとにかくなにかに、追い詰められたように、焦り、いらだち、毎日を過ごしていました。
春休みは、一ヶ月の終わりごろから始まりました。私はデパートの食堂でウェートレスをしていましたが、もっと違うことをやってみたいという理由から辞めてしまいました。私はそれまで九つのアルバイトをやってきましたが、今まで一番やりやすいアルバイトだったと思います。どの様にやりやすかったというと、比較的、皆適当に仕事をこなしていたからです。やりやすいと言うより楽だったのだと思います。そこで働いている人は、ほとんどが主婦の方で、私が一番年下でした。だからたいていのことは許され、(許されといってもわがままを言っているという訳ではなく、年下だから気が本当に楽なのです)また、学生が私一人だったので、時間の自由がきくため、長い時間、雇ってもらっていました。マネジャーは良い人で、学生は学ぶものだと言い、テスト期間は休んでいいと言ったり、よく、ためになる話を聞かせてくれました。けれども、もっと遊べとか、今考えれば、恥ずかしくなるのですが、旅行会社の添乗員のあるバイトを黙って掛け持ちし、わかってもらえると思って言ったら、やめろと怒られたりしたことが、その時は、なぜ私のことをわかってくれないのだろうとか、イライラしたり、マネジャーのことが嫌だなあと思ったことがありました。
キッチンで皿洗いしているおばさんたちは、何かあるとすぐに人の悪口、文句。けれども、悪口を言っていた人が来ると、何もなかったかのように仲良い素振りをしてまた別の人の悪口を言ったりしていました。
そういう人の顔は普通の顔さえも怒りに満ちていました。どうしてこの人たちは、こんな毎日しかおくれないのだろう、年をとると、人の醜い所や、人生への失望、どうでも良くなってしまうのかしら。彼女たちを少し軽蔑しつつも、かわいそうな人達だなと思っていました。また、主婦の人達は、自分たちの出来なかったことや、今の時期しかできないことをもっとやってみた方がいいと、私に、いろいろアドバイスや話をしてくれました。だから、私もはやく、早くやらなければ、後悔してしまうという気持ちがすごく強かったと思います。
三日前、ここへ初めて足を踏み入れ、ひなさんに出会って驚きました。こんな素敵な人も一緒なのか。他に人はいないのかしらと少々不安も感じました。すぐに、何かやるのかと思いきや、いきなりアンケート作成。自分の楽しかったこと、辛かったこと、などなど、小学校の文集づくりのようなことをなぜここでやるのだろう。しかも、書いたにも関わらず短いのでもっと書くように言われた時、思いつかないし、書いてどうなるのだろうとさえ思いました。けれども、お尚様の話を聞くうちに、しだいに納得し、書くことの大切さ、自分を表現することの大事さに気づかされました。
それから、初めての唱題行。今までお葬式の時などしか触れたことがなかったので、初めは、お経の文字を目で追うのさえも大変でした。(今でも大変なのですが・・・。)そのため、読むのもままならないため、声が出ないのは当然。「声が小さい」と注意をうけてしまいました。。私は比較的普段から声がよく通りすぎて「うるさい」と言われることはよくあったので、小さいと言われたのは久しぶりでした。けれども、今思い返してみれば、しだいに自信を失っていた私は自然に自分を守るために小さい声で、ぼそぼそ言っては日々を暮らしていたと思い恥ずかしく思いました。
けれども読めないからいいと思っていたら、「間違ってもいいのよ」と声をかけて下さったり、「声を出すことで体の中の悪いものを出さないと、きれいなものが入っていかないよ」という言葉を聞いた時、心が楽になり、次第に声が出るようになってきたように思います。
二日目のある時、体があつくなってきて、次第にお経を読むことで、不思議な気持ちになっていくのを感じました。それからお経の良さ(?)を実感することが少しできたのかなと思うようになりました。眠くなってしまった時には、かかわりのある霊が淨化し、お経を聞いていると聞き、眠くなることは悪いことではないのだと知りました。眠くなっていることも、お尚様に見抜かれ、掃除で、私が家の自分の部屋では掃除をしないこと、私が少々うつっぽいことなど話さなくても全て見透かされているなど、びっくりしました。
私は、それまで、霊とか見えるとか、色々なことが見えるとか、見えないとか、テレビで特集をやっていても、信じていませんでした。というより興味がありませんでした。しかし、一日目の夜、普段はよく眠りすぎるくらいの私が、二、三回目覚め眠りにつけませんでした。緊張しているのかと思っていたら、やはり霊によるものだと教えて頂きました。自分の思っていることや不安、あらゆることが次第に見えてきたように思えます。「あなたは、嫉妬深くなるかも知れないよ」と二日目にお尚様に言われた時は、はっきり言って、どうしようと思いました。自分の中で少しずつ前向きに何かが変わりかけてきていたのに、また追い詰められたような気さえしました。それから、少し不安になったりもしましたが、お尚様、お尚様の奥様のお話を聞いて、また心が楽になってきました。三日間、一緒にすごした、ひなさんには、とても感謝しています。
私が息詰まる考えをすると常に打開策を提案してくれます。初めて会ったのに、お尚様と同じようにひなさんにも自分の気持ちを楽に話すことができ、今では何か穏やかな気持ちで満たしはじめられた感じです。
今までは、本当に、訳もわからず、漠然的な不安な気持ちで何時も一杯でした。だから、すぐ、なんでこの人は嫌な人なのだろう。どうしてよい人が(よい人というのは人間的に尊敬できる人)がいないのだろうか。常になんで自分だけこんなんだろうと、せめて卑屈になっていた自分があると思います。けれども、今思えば、自分が、その様な環境を自分で作り上げてしまったのかもしれないと気づかされました。
ある時、お尚様はおっしゃいました。「何でもないことも幸せなんだよ」と。その前に普段から幸せを感じることが大事なんだよと聞いて、幸せを感じることは普通に暮らしていると、見つけることはなかなか難しいことかも知れないと思っていました。けれども、「何もない平和なことこそが本当の幸せだ」ということに気づくと、本当になんて幸せなんだろう。今までは幸せを幸せと気づかずもったいない日々を送っていたなあと反省です。
行の途中、祈祷をしてもらう人々が何名か訪れ、話しに耳を傾けてしまいましたが、悩みは皆つきないものだなあ、と感じました。入ってきた時の顔、お尚様に自分の悩みを打ち明けている時の顔は、怒りというか穏やかでない顔だったので、こりゃそうあっても仕方ない顔しているよと思ってましたが、帰る頃には、実におだやかな優しい顔をしているのには驚きました。
皆、ここに来ると、自然に本来の優しい自分に気づかされ、元気やパワーをもらってまた帰っていくのだなと思いました。
私もお尚様達から見ればまだまだでしょうが、とても今、晴れ晴れした気持ちで一杯です。家に帰ったら妹と一緒にお経を唱えてみようと思っています。そしてまた絶対、ここに来たいです。その時は、また宜しくお願い致します。
私はこれから帰って何をしようかと今ふと思いました。やっぱり、バイトも検定をうけるための勉強もそして旅行もと欲張っている自分は相変わらずいますが、それもそれでよい、やりたいことを思いきって全力だやる。それで駄目だったら仕方ないし、けれど後悔はない。今までは、何かに絞らなきゃ駄目かな、でもやりたい、でもできないかもとか、ずうとウジウジ悩んでいたけれども、お尚様のお嬢さんのお話を聞いたりして、私と同い年だというのに、バイトで月十五万は稼いでいるというのを聞いて本当に、頭の下がる思いでした。やってやれないことはないし、何より自分の可能性を信ずる大事さを教わりました。けれども、おごりの心は駄目だということ。私は嫉妬深くなるかもしれない。それは、自分のことを心では好きだと思っている。自分のことを可愛いと思っているからなんだよと教えられた時には、実はエゴイストなのかと自分のことを観客的に言い当てられ、恥ずかしさとで一杯でした。
そんな自分も自分なんだし、仕方ない。受け入れ、だからといって自分が一番だからいいという訳ではなく、自分が一番かわいい(?)と思っている(らしい)自分があるんだから、気をつけよう。自分のことだけでなく、他人にも目を向けてみようと、前向きに捉えられるようになりました。だいぶ平穏な心になってきたように自分では思うけれどもこれで終わり(到達した)訳ではないと思います。これから幾らでも心が挫けそうな時、乱れそうな時、様々なことが起きることでしょう。けれども、そんな時は、この三日間を思い出して、心をおちつけて、今一度、お経を唱えてみようと思います。
それから、友達にも悩んでいる子がいるので、帰ったら、このことを教えてあげようと思います。人の幸せを自分の幸せと思えること人の不幸を一緒に感じられること、それは頭でわかっても本当に心からそう思えることは、難しいことだと思います。(けれど、ひなさんの結婚(お見合い)話を聞いた時は、素直に心から嬉しいと思いましたが)でも、いつか自然にだれに対してもそう思える日が来ることを願ってます。
心の中に仏様がいるということ。このことはとても素敵なことだと思います。他人には自分。色々な話に触れ、悟りの境地に到達することは、生半可なことではないと実感しました。悟りの境地に到達しても尚、まだまだだとおっしゃるお尚には、本当にスゴイの一言につきます。ニコニコした素敵な笑顔を見ると仏様もこういう顔だったのかと思ってしまいます。私も、お尚さまのように人々に元気とパワーを与えられるような素敵な笑顔を絶やさない人になりたいです。初めは一行書くのもやっとだったけれども、、こんなに書けるようになり、それだけでも進歩したなと思います。これからも、日記をつけたりして、自分の気持ちと常に素直に向き合っていきたいと思います。
三日間という短い間でしたが、本当に貴重な体験をさせて頂いたと思います。本当にありがとうございました。お尚さま、ひなさん、お尚さまのおくさま、お嬢さん、みなに出会えたことに感謝します。どうもありがとうございます。また絶対に遊びに(修行も!!)来ます。ありがとうございました。埼玉にいらした際にはぜひお立ち寄り下さいませ。
 |
 |
