Ｔ．Ｋ（女性）
「修行に行こう。」と思ったのは、今思えばほんの些細なことがきっかけだった。ゼミの先生の授業の時、ビデオの感想文を１０分で書けと言われ、あせってパニックになり、真剣にビデオを見ていたのに全然書けなかった。努力しても、このパニック症のせいで認められないなんて、この先就職活動をしてもこれじゃ入りたい所に入れないや・・・・・。と本気で悩んでいた。その日の帰り道たまたまＭちゃんに「私修業でも行って根性たたき直さないとなぁ。」といったら「私も行きたい。」と言われその後とんとん拍子にこの三日体験修業に行く事が決まった。それからの私は、修行に行くというのにそれをただの旅行かのように楽しみにしていた。だが、実際にその日になり観音橋を前にした私は、なんだか逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。Ｍちゃんが「三日間頑張ろうね。」といってくれるたびに「うん。」と元気よく答える私の中には「やめようよ。」と叫んでいる私がいた。…。と本気で悩んでいた。その日の帰り道たまたまＭちゃんに「私修業でも行って根性たたき直さないとなぁ。」といったら「私も行きたい。」と言われその後とんとん拍子にこの三日体験修業に行く事が決まった。それからの私は、修行に行くというのにそれをただの旅行かのように楽しみにしていた。だが、実際にその日になり観音橋を前にした私は、なんだか逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。Ｍちゃんが「三日間頑張ろうね。」といってくれるたびに「うん。」と元気よく答える私の中には「やめようよ。」と叫んでいる私がいた。
トンネルを抜けると、もうそこは別世界だった。私は覚悟を決めて、この３日修業に乗り込んだ。早速昼勤で1時間正座をした。この修業に向けて、家でも出来るだけ正座をしようと練習してきたが、いつも１時間ももたなかったので、モゾモゾ動きまくっていたが、耐え抜いた事に感動してしまった。でも、夜の１時間３０分の唱題行はあまりの痛さに涙してしまった。だが終わってみると不思議と心はすっきりしていた。三日間、正座は私を悩ました。そしてお経は私の心をいやしてくれた。
突然ここからは話がかわり申し訳ありませんが、多分今までの「私だったらこんなまとまりのないかっこ悪い文章を提出するなんて出来なかったと思います。でもこの修業で私が学び分ったことがあります。私は今まで自分の内面を隠し、一般的によい評価をされやすい文章を書いてきました。だからパニック症になったりして悩んでいたんだと思います。内観行の時、私の文章を読まれたお上人が「Ｋさんは計算高いんじゃない。」と言われました。確かにそうである私に気づき、今までの私はウソで周りを固めていた気がしました。文章を書く時にはかっこよく、体裁のいい文章を人と接する時は、自分の弱みや内面を見られないように話したり、相手を私にとって有益であるかないかで選び付き合ってきました。自分の本心を言い当てられた事により、私の中で何かが吹っ切れたような気がしました。私がパニックになるのは、見栄を張っているからであり、全てありのままの自分を受け入れ、その時発揮できる能力だけを出す事ができればいいんじゃないかという解決の糸口を見つけることが出来ました。
お上人がおっしゃった言葉の中に「考え方を切り換える」ということがありました。何に対しても感謝の気持ちを持って見なければなりません。「おもしろくない。」と思っているとおもしろくない事しかおきないというか見つけられないのです。この教えは私の心に深く響きました。今までの私の口癖は、「なんかおもしろいことないかなぁ」でした。何か毎日が物足りなくてすぐにこの言葉を口にしていました。でも、いくらいってもおもしろい事は見つかりません。それは、私が心からおもしろいことを見つけよう、見ようとしていなかったからです。もしかしたら、おもしろい事はいっぱい私のまわりに転がっていたのかもしれないのに、私はずっと素通りしてきてしまっていたのです。私は今回、その事に気づけた事をすごく幸せに思っています。今では、何でも感謝するごとができますし、生きている事が楽しいし、おもしろい事に思えます。だから、今度からはこの喜びを私と出会う人みんなにもわかってもらいたいから、相手の幸せをいつも願い、喜ばせたり、運気を上げてあげられるような人になりたいと思います。ウソでいうおだてとかヨイショじゃなくて本心から。この三日修行で自分の事がよくわかりました。そして、これから始まる就職活動に関しても展望が見えてきました。友達には言えない就職に関する漠然とした悩みと言うか不安をお上人に打ち明けた事により、心が決まりました。今の私にはこれがやりたいんだという事がしっかりとしぼれたのです。私はやっぱりＩ工務店に入りたい。そして営業をしたい。お客さんと直接会って話をして、お客さんの夢を形にしてあげたいです。ここに来るまでは、ただただＩ工務店という会社にあこがれていて、何がやりたいとはしっかりと決まっていませんでした。心の中では営業にという気持ちを持っていたのですが、ノルマがあるとか厳しいとか聞いていたのでなかなか強く口に出す事ができませんでした。でも、今はお客さんをおだてたりするのではなく、本心からお客さんの幸せを願って接することが出来るよ気がします。だから辛くてもやりたいと思うのです。
本当にこの三日修行は、私に多くの事を教えてくれました。私のこれからの人生にとってかけがえのない仲間と出会わせてくれました。Ｍちゃんはもちろんの事、ＭさんやＹちゃん。ここに来なければ、出会う事もこんなに多くを語り合う事も、そしてありのままの自分を見せれることもなかったと思います。３人のおかげで、あんなに来る前は逃げ出したいと思っていた修行も凄く楽しく過ごす事ができました。大きい声を出したり思いっきり声を出して笑うだけでずいぶん心が明るくなることを知りました。最後のお経を上げている時、おでこから流れる汗とみんなの大声と、しびれる足の痛みに感謝さえ覚えました。「神や仏は自分自身の中にあるもの」だとお上人は言っておられました。これからの人生で何がつらく、思い悩んでしまった時『南無妙法蓮華経』を唱えれば、この修行の事を思い出し、もう一度、素の自分に戻って考え直すことができると思います。
魂は永遠に続いていると言われます。でも現世は、私が私として生きているのはこの時しかないのです。もしかしたら、前世の因縁で私は今まで色々悩まされたかもしれません。でも今私は考えを変えることが出来ました。私の魂が来世では、健やかに過ごせるよう今までの分もやり直して生きたいです。私が死を迎える時「これでよし。」と言って終えたいです。
 |
 |
