福生市 Ｍ．Ｓ（３６歳 男性）
今まで、仏教・お寺・お坊さんとは縁がなく遠い存在でした。特に宗教に関しては偏見を持っていましたので、信じようとも近づこうともしませんでした。
しかし、今回、三日体験修行を経験して、お坊さんと生活を共にすることにより、３６０度、見方・考え方が変わりました。
まず、仏教というのは人間が幸せに正しく生きる為の教えであり、お坊さんは行き詰った人の考えを正しく導いてくれる人であるということです。
仏教というとやたら漢字が多く難しい言葉ばかりですが、お坊さんにその中の部分部分をわかりやすく説明を聞き、「ああ、人間にとって大切な教え・役に立つ教えなんだ」と判りました。
特に、私は現在家庭で問題があり、考え方が行き詰まっており苦しんでいましたが、お坊さんに「一つの事に捕らわれず、正しい考えを持ち行動する事」と教わり、行き詰っていた気持ちを、無心に大声でお経をあげて腹から声を出す事により、無くなっていた【気】を取り戻すことによって、何故か晴れ晴れした気持ちになる事ができました。
修行中は、一日六回、一回が一時間以上お経をあげ、その度に正座をしなくてはいけなく、足がとても痛く辛かったです。今回の修行目的である強い自分を作る為に、自分に勝たねばという思いと、また、「【苦】を無くすには、無心でお経を唱え、囚(とら)われている心に囚われなくなるまで、大声でお経をあげれば痛くなる」と教わったので、なんとか乗り越える事ができました。お経をあげるとき、最初は喉からしか声が出せませんでしたが、「腹から声を出すことにより、身体から悪いものを追い出し気を身体に取りこむのだから、思いっきり大声を出しなさい」と教わり、「よし、谷に響き渡るように大声を出してやる」という思いで大声でお経をあげました。本当は辛いのですが、そのうちにお経が歌を歌っているような気持ちよさに変わり、楽しいと思えるようになりました。不思議なものです。
夜はお寺の中に寝袋を敷いて寝ましたが、まさか自分がお寺の中で寝るなんて思ってもいませんでした。夜のお寺は何か怖いという感じがありましたし、夜中に犬が吠え気味が悪い事もありましたが、実際には何か守られているという安心した気持ちで眠ることができました。
今思えばお経ばかりの生活で、「またお経なの？」という連続でしたが、最後にはそれが自分との戦いだったんだと気がつき、もっと自分からお経をあげるとか自主的な態度で望めばよかったと反省しています。
最後に、こんな見ず知らずの私なのに自分の家族のように暖かく接して頂き有難う御座いました。厳しいはずの修行が自分の故郷にいるような心休まる日々を過ごす事ができました。
修行が終わり自宅に帰りましたら現実の生活が待っています。教わったことを実行し、自分を変え、幸せな生活を送れるよう頑張りたいと思います。
逃げ場が無くなり追い詰められた時には、またここに来てお経を大声で唱え、すがすがしい気持ちになりたいと思います。また、人の縁を大切にし、人の出会いや先祖を尊び、正しく生きていこうと思います。このような機会を与えていただき本当に有難う御座いました。
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