福山市 Ｙ．Ｍ（２４歳）
お上人様、奥様、三日間ありがとうございます。
体験修行は、何もかも始めての事ばかりで、辛いというよりか面白かった。唱題行の『南無妙法蓮華経』を唱える言葉の言い回しが私には難しくて、何度も引っかかってしまい、舌が回らなかったです。また、正座をするのが大変でした。初日は、棒読みになったり、アクセントが違ったり、しかも修行の途中で寝てしまったりで、恥ずかしい思いをしました。
出世観音の印象は、雰囲気が非常に居心地が良いところと感じたことです。違和感がないというか、不思議と気持ちが落ち着き、心が穏やかになるような気がします。
このような環境の中でお経を読んでいると、声を大きく腹に力を入れて出し、口を大きく開けて一言一言唱える度に気持ちが楽になっていきました。私にはいろんな悩みがあったのに、『南無妙法蓮華経』と大きな声で何時間も唱えていると、「今迄、何を悩んでいたのだろう」と考えてしまいました。
お上人様に、「大きな声を出しなさい」、「返事はもっと大きく」とか、小さな声を出しているとすぐ注意をされました。最初はなかなか大きな声で返事をすることが出来なかったのですが、一度、大きな声を出すと、自然に大きな声が出るようになっていました。『南無妙法蓮華経』のたった７文字なのに、お腹の中から声をだすと、自分の陰質な部分が外へ飛び出す感じです。この言葉にいろんな意味が込められて、奥が深く感じられました。この世で生きている生き物にも、微生物の果てから人間に至るまですべて『命』ある中で、現実は弱肉強食の世界で、不平等の世界観があり、この不平等も平等に基づく因果によるものと教えられ、つくづく人間に生まれてよかったと思いました。
お経を唱えることの意味として、『自分の体内に溜まった毒を外に出すこと』、『息を長く吐くことによって長生きできること』、また、自分たちの『御先祖を供養する大切さ』などを教えられました。大きな声でお経を唱え供養することによって、御先祖の霊が浄化され、自分でも意識しない内に自然と明るくなっているのに気づかされました。
今、私が存在しているのは、先祖がいて両親がいるから私が生まれた。けれども、私はいままで『墓参り』へ行くこともなかったし、そういうものに感謝する気持ちが何もなかったです。両親が子供を育て望むものを与えるのが当たり前の行為だと思っていました。ここに来て、『当たり前』が普通になっていて『贅沢な心』になっていたことを痛感させられました。体験修行の『出世観音』の周りには、今時、当たり前のスーバーやコンビニエンスストアーがなく、とても不便に感じたし、交通の便も２時間に１本の電車しかなく、お寺まで来るにも、バスがなく徒歩で４０分位かかってしまいました。
また、山の草刈りはいい経験でした。自然と共存することは難しいことなのかもしれないけれど、汗をかいて動くのは気持ちがいいですね。草木に囲まれた中で夢中で汗を流したのは、とても気持ちが良かったです。これは、たまにするから感じるのかな？でも、何だろう、とても落ち着いたことは確かです。余談になりますが、この次は『田植え』をしてみたいなぁと思いましたので、実家に帰ったら体験できるところを探そうと思います。
不便なところで生活してみると、今迄、不平不満で生活していたことでも、本当はとても恵まれていることに気がつかされました。慣れは恐いものだとつくづく思いました。本来ならば、『常に存在しうるものは何一つ無いこと』、当たり前のものは当たり前でなく、色々な人の力や支えで成り立っていることを教わりました。今は、自分の環境に心から感謝できるようになりました。
今回の修行に参加して、お上人や奥様の人柄を通して、いろいろな話を素直に聞くことができました。いままでの両親とのことであれば考えられないことです。普通なら親に対して言わないバカにした言葉とか冷たい言葉を平気で使っていました。親も親で、私に対して怒らないので、図に乗っていました。今迄のことを考えると、こんな自分が悲しくなってしまいました。何事に対しても感謝する事がなかった。また、考えようともしなかったです。いままで、私を育てるのにどれだけの苦労をしてきたか分からない。なのに「ありがとう」の言葉さえかけていない。多分、親は言わなくても「解ってくれるだろう」と、自分勝手な思いから好きなようにしていた自分が恥ずかしい。これからは、言葉使いに気を付けて、自分の望むことや相手の行動などもよく話し合いをする事を心掛けていきたいと思います。
これからは、自分勝手な感情から『決めつける』のをやめようと思いました。まず行動して、自分に合うか合わないのかを判断する習慣をつけようと思いました。今の自分には、まだ経験していないことがたくさんあります。「今度やろう」では『何もしないことと同じ』ことに気がついたし、これからは時間を作っていろんなことにチャレンジしたいと思います。これからの目標は、私のことをさらけ出して話せる人を作ること。また、相手のことを出来るだけ理解するよう努力すること。これまでの友達づきあいも、上辺だけ合わせていたような気がしました。仮に、今迄付き合っていた人達と縁が切れてしまうのは嫌だけれど、相手のことが大事と考えるならば、嫌なことを嫌だと言えるようになりたい。もし、それで相手が怒って別れるなら、それまでの関係だったんだと諦めるしかないと思います。友達は多い方が楽しいけれど、遊び友達というか、その場限りだとやっぱり寂しいと思えるし、このような関係は一人と変わらないような気がする。
今迄、悩んでいた人間関係も、話し合いのコミニュケーションがとれているか否かで、友達関係や人間関係が変わってくると思いました。良い部分も悪い部分も含めて相手を理解できるようにしたいと、この度の体験修行を受けて決めました。
私は、インターネット上のホームページで『出世観音』のことを知り、いろいろ『悩み相談室』に相談もしました。懇切丁寧にご返事を頂き指導を受けました。理屈は分かっていても、現実にはなかなか自分を変えることが出来ず、今回、１週間の休みを取り、思い切って体験修行を受けてみました。長所や短所が自分で分かっているようでも、自分自身が一番解っていなかったのではないかと思えました。この三日間の体験修行は、私にとっていい経験でした。言葉では上手く言えないけれど、理屈ぬきに心で感じられ、一つ一つのことが新鮮に理解できたような気がしました。
最後に、お上人様、奥様、三日間、本当に親切にご指導をしていただいて有り難うございました。本当に千葉に来て良かったです。これも、仏様のご縁と受け止め、ありがたく感じました。また、何時かお会いしたいと思います。有り難うございました。
 |
 |
