東京都 Ｋ．Ｓ（３１歳 会社員）
三日間の体験修行を終えて、終わってみればあっという間の三日間でした。自分なりに得るものが沢山あったと確信しています。体験修行のキッカケは、今の自分に仕事や家庭での迷いがあったからです。その為、自分を一度見つめ直すために、修行してみたいと考えました。これからの人生を生きていく上での自信というか、キッカケが掴めればという事です。
初日のレポートにも書きましたが、今迄の人生を振り返ってみて、ここ１３年間の人生において、悔いがあると言うのか、後悔が心のどこかにあるような気がしてならないのです。上京する時は、東京で立派に成功してみせると、自分の夢に胸を膨らませて上京して来たことを思い出します。「今も自分の人生よ」と思ってしまえばそれまでですが、振り返れば、ずっと流されて生きてきたような気がします。
２２歳の時に結婚し９年目になります。子供も二人できました。その間、職場を３回変わりました。
今回は、自分の浮気がばれて会社を辞めました。妻に会社での事を咎められた為です。今回は４回目の転職になろうとしています。「いったい自分は何をやっているのか。こんな事をするために上京してきたのではないだろう。」と自問自答する毎日でした。そんな中、今回の体験修行を受けました。修行中、仕事のことはよく話した記憶がありますが、一番の悩みであった家庭の問題は一切触れていませんでした。そんな中、「君は所帯を持っている感じはしないが、結婚しているのかね」と住職さんに尋ねられました。「はい、結婚して、今は子供も二人います。」と答えましたが、すかさず、「何か、家庭に問題があるのですか。」と問いただされた時、一瞬、ドキッとしました。全部見透かされているという感じがして、正直に、彼女がいて浮気をしていたこと、家庭の中が上手くないことなど、話を聞いてもらいました。
いろいろ相談した中で、一番印象に残った住職の言葉は「逃げたら駄目だよ。愛情と憎しみは平等で、愛情が大きければ大きいほど、それが憎しみに変わった時、同じような大きさの憎しみになるんだよ。」と言われた事です。今迄の自分を振り返ってみれば、面倒なことや苦手なことに対して逃げていたり、後回しにしたりすることが良くあったと思います。妻の些細な小言や文句を言われることにストレスを感じて、逃げているところがありました。それが、時間が経って気がつくと、大事になっていました。
自分の考えや意見を相手にハッキリと示すことの大事さを、改めて教えられた気がします。家庭が上手くいかなければ、仕事においても上手くいく筈がありません。今回、自分がしてしまったことは、８年間のストレスが悪い方に出てしまったことは確かです。自分自身、カッコ良い言い方をすれば、無言の抵抗というか、自分を分かって欲しいと訴えをしていたような気がします。
住職から言われたように、妻との関係は相当溝が深くなっています。その溝を、この後、埋められるのか、正直に言って解りません。今後、自分の気持ちが少しずつ変わっていけるのかも分かりませんが、嫌なことから逃げるような事だけは辞めようと思います。
今回、三日という短い期間ではありましたが、これからの自分の人生を考えると、充実した人生を送る為に、良い意味で、新しい出発点とすることが出来たらと考えております。
修行についての感想ですが、一言でいえば楽しかったです。本当は、もっとキツイ修行が待っているのかと思ったのですが、そんなに厳しく感じませんでした。自分が初体験という事もあり、軽めにしてくれたのかも知れませんが・・・・。悩みを聞いて頂いたことが救いになっていたのかもしれません。刻々と時間の過ぎていく中で、静かに自分を振り返ることが出来たり、自分の為に親身になって助言をしてくれた住職、また、奥様の心温まる手料理に感謝しております。
正直、正座はキツかったです。何分、椅子の生活に慣れているので仕方ない所ではありますが、良い経験をさせていただきました。終わってみて、「又、何時か来たいな。」と思っております。何度か来る人の気持ちが、体験してみて分かったような気がします。今迄の自分で悪い部分が浄化されたような気分になりますね。すがすがしいと言うか、そんな気分です。
本当に三日間、有り難うございました。
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